扇風機のつけっぱなしで火事になる?原因と火事を防ぐ対策!
エアコンだけだと冷えすぎたり、梅雨時の洗濯物を乾かすのに、今でも扇風機が活躍する機会が多いです。
快適な夏を過ごすために欠かせない扇風機ですが、熱を出したり、大きい音を出す家電ではないので、つけている事を忘れてそのまま外出してしまったり、他の部屋に行ったりすることがあります。
実は扇風機はつけっぱなしだと、火事になる危険があるんだとか!
どうして扇風機で火事になってしまうのか、また火事を起こさないための対策について調べてみました。
扇風機のつけっぱなしで本当に火事は起こるの?
扇風機なんてヒーターやドライヤーのように熱を発するわけでも、高電圧がかかるわけでもないのに、火事なんて・・・と思っていませんか?
僕も買い替えを促すために、火事が起きるなんて話を流しているのでは?と思っていた1人です。
調べてみたのですが、実際に扇風機で火事は2013~2018年の5年間で100件近い火事が発生し、そのうち4人も死者を出しているそうです。
年間20件くらいは日本国内で扇風機から発火しているということになります。
確かに扇風機が原因で火事になることは少ないですが、あり得ないとも言い切れない数字です。
扇風機のつけっぱなしで火事が起こる原因は?
扇風機が原因で起きる火事の最も多い原因は「経年劣化」によるものです。
経年劣化により、もともと電気が通る場所でなくても電気が漏れてしまい、ショートが起き発火するようです。
原因1 コンデンサの劣化
コンデンサとは扇風機の内部にある部品で、モーターなどを回す時に電気が通る場所です。
本来は絶縁体と呼ばれる電気を通さない部分でおおわれているのですが、それが劣化して周りの樹脂などにショートし発火します。
コンデンサは乾電池に細い針金が刺さっているような形状をしていますが、基本的には分解しないと見えない場所にあるため、劣化に気づきにくい部分でもあります。
原因2 コードやコンセント部分の劣化
家電でよくある故障、火事の原因の1つです。
コードは移動する時やコンセントを抜くときに負担がかかるので、中の導線が切れたり、外側のビニール部分に傷が付き導線がむき出しになる場合があります。
常時電気が通っている場所ですから、そこに布製品やほこりなど燃えやすい物質がくっつくと引火してしまいます。
原因3 ほこりが詰まっている
扇風機はオフシーズンになると倉庫や押し入れにしまいっぱなしになっている事が多いですね。
そうなると、表面だけでなく、可動部の隙間からほこりが扇風機内部に入り込んで詰まってしまうことがあります。
ほこりまみれのまま運転して、内部のモーターがうまく回らなかったり、そのまま無理に使ってしまうと、部品に余計な負担がかかり、故障した部分が発熱、発火することがあります。
扇風機から火事を起こさないための対策
経年劣化やほこりなどが原因なのが分かりましたが、素人目にはすぐに「経年劣化だ!」なんてわかるはずがありません。
扇風機から火事を起こさないために、自分でできる対策を紹介します。
設計上の標準使用期間を確認する
家電には設計するうえで、1日何時間、何日間使ったら摩耗するか、また経年劣化により接続部分や部品自体が故障してくるかなど、試験を行ったり、部品ごとの保証期間などから「設計上の標準使用期間」というものが設定されています。
扇風機での事故が相次いだため、2009年から設定されるようになりました。
・日立、シャープ→10年
・パナソニック→11年
・アイリスオーヤマ、プラスマイナスゼロ→6年
・三菱→12年
と基本的にはメーカーごとに一律の期間が設定されています。
これは、無償修理をしてくれる保証期間とは別で設けられており、1日8時間、中程度の風で使用した時にこの年数ならば問題なく動くという保証期間です。
扇風機から火事が起こる事案では購入から20年、30年経っているものが多く、この期間を過ぎていて、「最近調子悪いな」という時は買い替えを検討しましょう。
数千円~数万円の出費を悩んで1部屋、1軒の家を燃やすよりは、断然安く済みます!
タイマーを使って何時間もつけっぱなしにしない
扇風機でも何時間も連続で運転すると、モーター部分やコンセント部分が熱を持ってきます。
劣化している部品が熱を持つと、周りの樹脂などが発火しやすい状態になります。
タイマーで切れるようにしておくと、熱くなりすぎるのを防げるので、洗濯物を乾かしたくて長時間使いたい時などは何時間かで切れるようにしておくといいです。
自分で直そうとしない
昔はテレビが付かなかったら叩く、フロッピーが読み込めなかったらドライバを抑えるなんて荒治療よくありました。
しかし、これは使えるようになればラッキーですが、より壊してしまう可能性が高いです。
また、交換できる部品を持っているわけでもないのに、分解し始めるお父さんとかお爺ちゃん。
あれはもっと危険です。
もとに戻そうとしたらネジが足りない、基板についている部品を外してしまった、なんてことになったら、もうおしまいです。
どうしても直したいのであればメーカーに問い合わせるか、修理を請け負っている個人の電気屋さんなどにお願いしましょう。
ネットや秋葉原で自力で部品を探そうとしても、見た目や型番が似ていても、実際の規格やサイズが合っていなかったりして余計な出費がかさむだけです。
そもそも部品を付けるための専用の工具や半田ごてが必要だったりしますし。
扇風機の真上に洗濯物や風で落ちるような物を置かない
扇風機で洗濯物を乾かす時、洗濯物が落ちて扇風機に被さるような場所にはおかないようにしましょう。
扇風機の羽に絡まったり、首振り部分に挟まってしまい故障の原因になります。
タオルなど繊維が長いものが、内部に入り込んでそこに引火する危険もあります。
プロの電気屋や設計者でない限り、無理に自分で直すのは絶対にやめてください。
まとめ
・原因の多くは経年劣化による発火
・他にもコンセントやコードの断線にも注意が必要
熱を発さない家電でも電気を使っている以上、ショートして発火する危険があります。
僕の実家にも僕が小中学生くらいから使っている年代物の扇風機があったはず。
両親に連絡して新しい扇風機を買ってあげようと思います。