日本三大つるし雛とは?発祥やその特徴を紹介
日本三大つるし雛をご存知ですか?
僕は最近生まれた娘に祖父母からつるし雛を頂きました。
そこでつるし雛とはどこの地域の文化なのだろうと気になりました。
今回は日本三大つるし雛とはどんなものなのか、発祥の地や特徴、どんな意味が込められているのかを調べてみました!
日本三大つるし雛1:静岡稲取 雛のつるし飾り
ひな祭りには、女の子の成長をお祝い、健康を願う意味がありますが、壇に飾る雛人形は高価で昔は貴族や一部の豊かな家でしか購入できませんでした。
江戸時代の後期、庶民でも雛人形を楽しめるようにと、母や祖母が一針一針余っている布などで作ったのが始まりです。
つるし雛は静岡県伊豆の稲取が発祥とされており、今でも「稲取の雛のつるし飾り」として、日本三大つるし雛の1つに数えられます。
毎年1~3月になると稲取温泉の入り口には6000個の飾りが付いたつるし雛が飾られます。
素盞嗚(すさのお)神社では、毎年2月下旬から3月上旬まで、境内の階段118段に雛日人形とつるし雛を展示します。
発祥の地だけあって、雛祭りの前後の稲取はいたるところで色鮮やかなつるし雛を見ることができます。
日本三大つるし雛2:山形酒田 傘福
日本三大つるし雛の2つ目は山形県酒田市の傘福です。
幕で覆われた傘の先に飾りをつるして飾るのが傘福の特徴で、1本の紐につるす数は奇数と決まっているそうです。
これは「割れないように」という中国の思想から来ています。
大きいものは1つの傘の下に999個も飾りをつけるそうです。
傘福は日本海を通って大阪などから船が往来し、比較的財を成した商家が多かったためか、比較的ここのつるし雛は大きく豪華なものが多いようです。
酒田市内の民芸館などでは、傘福の手作り体験ができるところもあります。
日本三大つるし雛3:福岡柳川 さげもん
日本三大つるし雛の最後は福岡柳川市のさげもんです。
この地方では、女の子が生まれると、ひな壇を男親の家から、つるし雛を女親の家から贈る習わしがあるようです。
4、50センチ程の竹輪に紅白の布を巻き付けたものに紐をつるし、毬とその他の飾りを交互に付けていくのが特徴です。
昔は「人生50年」と言われていた時代に、女性は少し引いて49歳まで生きられるようにと、7本の紐に7個ずつ飾りをつけます。
更に真ん中に大きい毬を2つ付けて51個、平均寿命よりも長生きできるようにとの祈りが込められています。
裕福な家では雛壇を更に豪勢に見えるように飾り付けに、雛壇を用意できない家庭では、家をさげもんで飾り付けて桃の節句のお祝いをしていたそうです。
さげもんに使われる鞠は「柳川鞠」と呼ばれ、福岡県指定の民芸品の1つです。
鞠は鮮やかで可愛らしい女の子のおもちゃではありますが、それだけでなく「鞠の様にふくよかに育ち、円満な人生を歩んでほしい」という意味で女の子の節句に贈る風習があります。
見ているだけでも可愛い毬がつるされたさげもんは柳川ならではのつるし雛ですね。
雛飾りに込められた思い
様々ある雛飾りには、1つ1つ意味があります。
つるし雛を選ぶ時の参考にしてみてください。
さるぼぼ
飛騨の方言で「猿の赤ちゃん」で、ぼぼ(赤ちゃん)から病が去るというところから、安産や無病息災の意味がある人形です。
赤い顔に大の字のように開いた手足、金太郎のような腹掛けの服が特徴です。
犬
犬のお産は他の動物に比べて軽いことから、安産の願いが込められています。
ハト
ハトは幸運の象徴として有名ですね。
また神様の使いとして子供の幸せを願います。
唐辛子
害虫駆除や魔除けの効果から「娘や孫に悪い虫が付かないように」という意味があります。
はいこ人形
ハイハイしている赤ちゃんの形をしています。
たくさんハイハイをして健やかに育ってほしいという思いがあります。
かぼちゃ、人参
栄養価の高い野菜で、子供が健やかに育ちますようにとの意味があります。
蝶、花
可愛らしい蝶や花のような可憐な女の子に育ってほしい。
縁起の良い梅や桜が作られることが多いです。
太鼓
お祭りで使われることが多い太鼓は、悪を払い福を招くものとされています。
フクロウ
「不苦労」「福朗」と書かれることから、苦労をしない、幸せを呼ぶ縁起の良い鳥とされています。
米俵
たくさんのお米が入っている米俵は、五穀豊穣や、子供が食べ物に困らない様にとの意味があります。
まとめ
- 静岡稲取 雛のつるし飾り
- 山形酒田 傘福
- 福岡柳川 さげもん
マンションなどの賃貸だと大きい雛壇を購入するのはためらわれますが、お内裏様とお雛様だけでも、つるし雛を一緒に飾ってあげるととても華やかになると思います。
せっかくの可愛い娘や孫の節句ですから、可愛らしい飾りでお祝いしてあげたいですね。
それから、今回解説したような「日本三大」シリーズは他にもいろいろあって面白いですよ!
※「日本三大」シリーズはコチラの記事でまとめているのでご覧下さい!
それでは!